弥三郎節（やさぶろうぶし）歌詞

一（ひと）つアエー　木造新田（きづくりしんでん）の下相野（しもあいの）
村の端（は）ずれコの　弥三郎（やさぶろう）エー
（アリャ弥三郎（やさぶろう）エー）
※囃子以下同じ

二（ふた）つアエー　二人（ふたり）と三人（さんにん）と　人頼（ひとた）ので
大開（おびらき）の万九郎（まんくろう）から　嫁貰（よめもら）った

三（み）つアエー　三物（みつもの）揃（そろ）えて　貰（もら）った嫁（よめ）
貰（もら）ってみたどこア　気（き）に合（あ）わね

四（よ）つアエー　夜草朝草（よぐさあさくさ）　欠（か）かねども
遅（おそ）く戻（もど）れば　いびられる

五（いつ）つアエー　いびられはじかれ　にらめられ
日（ひ）に三度（さんど）の　口（くち）つもる

六（む）つアエー　無理（むり）な親衆（おやしゅう）に　使（つか）われて
十（じゅう）の指（ゆび）コから　血（ち）コ流（なが）す

七（なな）つアエー　なんぼ稼（かせ）いでも　働（はたら）いでも
つける油（あぶら）コも　つけさせねエ

八（や）つアエー　弥三郎家（やさぶろういえ）コばりコア照（て）らね
藻川（もがわ）の林（はやし）コさも　日（ひ）コア照（て）らね

九（ここの）つアエー　ここの親（おや）たちァ皆鬼（みなおに）だ
ここさ来（く）る嫁（よめ）　みな馬鹿（ばか）だ

十（とお）アエー　隣（となり）り知（し）らずの牡丹餅（ぼたもち）コ
嫁（よめ）さ食（く）わせねで　皆（みな）かくす

十一アエー　十一一日
蔵開き　蔵も開（あ）けねで嫁えびる　コレモ　弥三郎

十二アエー　十二山の神ァ餅つきで
嫁も食てァ　だら門廻（かどまわ）れ　コレモ　弥三郎

十三アエー　十三 所（どこ）八方から
嫁貰ても　ここの婆様（ばさま）の気に合わねえ　コレモ　弥三郎

十四アエー　湿（しめ）り打たねで
籾搗（もみつ）かせ　たらす涙で籾搗けだ　コレモ　弥三郎

十五アエー　縁のないもの
是非もない　泣きの涙で暇貰た　コレモ　弥三郎