エーエ 祖谷の甚句と 葛の橋は
聞こえ渡らぬ 暇は無い
(アラ お前さんに逢うゆて
大体な辛抱は したわいな
来なエ 毎晩)
源氏平家の 戦の果ては
武者が逃れた 祖谷の里
山が高うて あの家が見えぬ
恋しあの人 山憎や
ここで唄うたら 向いで告げる
いとこ様かえ 安威らしや
ここで唄うたりゃ 聞こえよか殿に
何で聞こえよ 小畝越し
紺の前垂れ 松葉の散らし
松に紺とは 気に掛かる
甚句甚句と 名は良けれども
甚句 左程の 唄じゃない
(アラ お前さんに逢おとて
艱難苦労を したわいな
来なエー 毎晩)
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