三十五反の帆を巻き上げて
(サイショネ)
帆は帆まかせ 帆は風まかせ
私ゃあなたの心まかせに
なる身じゃないか
※囃子以下同じ
浮世はなれて 奥山住い
恋も悋気も忘れていたが
鹿の鳴く声聞けば
昔が恋しゅうてならぬ
火鉢引きよせ 灰かきならし
主の頭文字思わず書いて
落ちる沮で火鉢の火を消す
千万無量
雉も鳴かねば打たれもしょまい
わしもあの時逢いさえしなんだら
こんあ苦労はしもせにゃ
貴方に チョイトさせもせぬ
度胸定めて惚れたる私
いらぬ世間の指差すやつに
見せてやりたい
逢うたこの夜の二人の仲を
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